現実RPG2
「おいおい、何なんだよ、急に!」


怪訝そうな拓馬。しかし、ルイは自分を抑えられなかった。


「コイツはな……マーダーはな、俺の母親なんだぞ!」


そう叫んだとき、ルイの中にある心のモヤモヤが吹き飛んだ。


やはり、そうだった。


マーダーは、母だったんだ!組織は、母を殺していなかった。


それを、二人の手で葬った。


実の母を。


「どうしてくれんだよ!俺の母親を返せ!」


目を血走らせ、涙を流しながら狂ったように叫ぶルイ。


「知るかよ、そんなこと!」


「何だと、この野郎!」


拓馬の喉元に剣を向けるルイ。


「殺すぞ、この馬鹿野郎。母を返せ!」


「うるせぇな。お前が死ぬか?」


拓馬が、ルイに人差し指を構えた。


その構えに、ルイは凍りついた。


「お前……」


スターライトの構えだ。


「わかったら、剣をどけろ」


ルイは言われるがまま、剣を降ろした。


何がどうなってんだ……。


「拓馬……お前……」


「お前、俺に聞いたよな。あのとき……1章の最後のとき、何故光の玉を持ってたのかって」


「ああ……」


「持ってるに決まってんだろ。あのときボーンに、ライトニングを撃ったんだから。光の玉は使ってねぇ」
< 124 / 129 >

この作品をシェア

pagetop