現実RPG2
「どういうことだ……記憶は、1章の最後で戻ったんだろ!あのときから、ライトニングは使えたって言うのか!」


「ああ。だって……」


「……だって?」


「俺は、元々記憶なんて少しも失ってねぇんだから」


……今、何て言った……コイツ。


「どういうことだ……」


「最初からあったんだよ。記憶の全てが」


そんな馬鹿な……!


「ふざけるな!お前は、スターライトで記憶を失ったはずだ!」


「違う」


「違わねぇ!確かだ!」


「俺の副作用。それは、五感だ」


「何だと……」


「魔法を使うと、五感を失っていく。スターライトで俺が失ったのは、視力だ」


ふざけるな……目が見えてねぇとでも言うのか。


「視力を失った俺が頼りにしたのは、体感だ。植物の体温、地面の熱、人間の気配……それを心で見てきた」


「ふざけるな……ふざけるな!」


「お前、俺の副作用が……記憶だ、そう言ってたよな?」


「そうだろ!違うか!」


「何故、冷静なお前にそんな勘違いが起こるのか。母親の顔もわからず、俺が記憶を失っていると思っていた。理由を言ってやろうか?」
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