現実RPG2
ルイは下唇を噛み締めた。


もう、わけがわからない。


何がどうなってるんだ。


「理由は……何なんだ……?」


泣きながら問うルイ。


「お前は、魔法を使うと不運が起こる」


「それくらい、知っている!」


「記憶障害」


その拓馬の言葉に、ルイは心の何かが音を立てて崩壊した。


まさか……この、俺が……記憶障害?


そんな、馬鹿な。


「お前、ファイアーボールにボルガノン、そして極めつけにギガフレイム。魔法を使いまくってたよな。その代償は、何だった?」


「やめろ……やめてくれ……もう、聞きたくない……」


「わからないだろ。俺は、魔法を使うにつれ、嗅覚、聴覚がさらに衰えていった。比べて、お前はどうだ?大魔法使いの俺がこんなに副作用が出てるのに、お前は何も無しか」


「やめろって言ってんだよ!」


「お前は、大馬鹿野郎だ。運をナメるな。魔法なんてのはな、不幸しか呼ばねぇんだよ」


「ああああああ!」


ルイは発狂して、頭を掻き毟った。


記憶喪失よりも、はるかにタチが悪い。


間違った出来事が頭に埋め込まれるのだから……。


「じゃあ、これも忘れちゃったか。ルカちゃん」


「え……」


「アイツは、お前の妹だ」


その拓馬の言葉と同時に、全てが繋がった。


ルカが魔法で年を取ると言うのは、多分正解の記憶だ。妹が、魔法のせいで俺と同じくらいまで年を取った。
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