現実RPG2
「とんだ期待ハズレだな」


ガクラはそう言うと、再び拓馬に手のひらを向けた。


怖い……怖い……怖い!


もう、歯向かう気力はなかった。ただ、恐怖に耐えていた。それしか、拓馬にはできなかった。


そのときだった。


ザン!


突然、ガクラを切り裂いた女。


ガクラはその衝撃に、バタリと倒れて消えた。


「大丈夫?」


微笑んで言う女。この女、見覚えがある。


……そうだ。1章のときにモノマネで現れた、確か……ルカだったか?


あのときのモノマネは、こいつをモチーフにしていたのか。


「助けてくれて、ありがとう」


棒読みのように言う拓馬。今、それどころではない。


腕が無くなった。この絶望は、今までで一番大きい。もはや、立ち直ることなんてできない。


もう一度左腕を見る拓馬。やはり無い。もう二度と、お茶碗が持てない。


泣けてきた。もう、死んだっていい。


「あなた、光魔法の拓馬ね。何で、こんなところに?」


こいつも俺を知ってるのか。ハハハ。有名人だな、俺。どうでもいいけど。


「お前が、今回のスケットか?」


無愛想に聞く拓馬。
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