現実RPG2
「何の話?」


「スケットかどうか聞いてんだよ」


「よくわからないけど……敵ではないよ」


「あっそ。だったら、何であと1分早く来てくれなかったんだ」


「え?」


「お前が遅ぇから腕が無くなったんだよ!」


叫び散らす拓馬。


完全な八つ当たりだ。それはわかっていても、悲しみが爆発してしまった。


「何だ、そんなことくらいで怒んないでよ」


「そんなことくらいだと……?他人事だと思って……」


「無くなったなら、再生すればいいじゃん」


「は?」


ルカの言っていることが、よくわからない。


「だから、再生すればいいじゃん?」


「どうやってだよ?」


「こうやってだよ」


ルカは拓馬の左腕部分に手のひらをかざすと、虹色の光を出した。


その瞬間、拓馬の左腕が復活する。


まるで何事もなかったかのように、拓馬に左腕が戻った。


「嘘だろ……」


人生で、これだけ感激したことはない。


回復した……回復した!動く、動くぞ!俺の手だ!


「やった!よっしゃ!」


思わず、口に出して喜んでいた。


「どうしたの。大魔法使いが、これくらいのことで」


不思議そうに拓馬を見るルカ。
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