現実RPG2
「ありがとう、ルカ!」


「え?何で、私の名前を?」


そうか。ルカと俺は、会うのは初めてなのか。1章では、モノマネだったからな。


拓馬は1章の一部始終を説明した。


「ふーん。で、拓馬の記憶は、何で無くなったの?」


「さぁ……」


拓馬自身は、別に記憶喪失になった覚えはない。


人間から生まれ、普通に小学校に通い、普通に高校を出て、普通に大学に通っている。


だが、確かに感じた。


あそこに……ゲームの中に住んでいた記憶。


僅かにある、魔法の記憶。


それが誰かに洗脳されたのか、前に本当にゲームの中にいたのかはわからない。だが、確かに忘れている記憶がある。


いや、今はそんなこと、どうだっていい。ルカだ。おそらくこいつが、今回のスケット。


この女、多分デタラメに強い。あのガクラを、たった一撃。これは、ルイを凌ぐかもしれない。


これだけ強大なスケットがいるなら、この2章……なんとかできる……!


なるほど。竜太が俺を騙そうとしてた理由がわかった。目的は、このルカを倒すためか。


確かにこれほど強ければ、騙まし討ちが手っ取り早い。


「記憶が無いってことは、今の状況がよくわからないってこと?」


ルカが聞いてくる。
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