現実RPG2
「拓馬、お前を殺そうとしたのは、芝居だった。確かに、俺はお前を串刺しにした。でも、それは、お前が薬草を持っていたことを知ってたからだ。お前が落とした血のついた薬草がフィールドから消えていたことについて、ボーンから情報を得ていた」


「ふーん」


「お前、確か1章で言ってたよな。ゲームの中の登場人物はみんな一定のセリフしか話せないのに、俺だけ何で普通に話せるのかって」


「あのとき言ってたじゃねぇか。呪いで、みんな一定のことしか話せなくなったんだろ?」


「確かに、呪いだ。だが、封印と言う名のな。俺が普通に話せた理由は、その封印から逃れた、お前と同じ……ある特殊な人間だからだ」


「え?」


「俺だって、金に目がくらんであのゲームに参加した。そして、クリアした」


「どういうことだよ?」


「拓馬より前に、クリアしてたんだよ。あのゲーム」


「意味がわかんねぇ」


「クリアした、そのときだった。ゲームの首謀者から、ある指令が下された。内容は、『お前の母を預かった。助けたければ、これから来る拓馬と言う男を殺しなさい。さもなければ、母を殺します。』俺は悩んだが、母を見殺しにはできなかった」


「なるほど。じっくり時間を掛けておとぎ話をして、体力回復を待ってるのか」
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