現実ＲＰＧ２
「違う、聞いてくれ！本当の話なんだ！」


ルイがそう言ったとき、拓馬のライトニングが再びルイを襲った。


ルイは３メートル程後ろに吹っ飛ぶと、バタリと倒れこんだ。


意識が朦朧としてくる。それでも、ルイは話を続けた。


「拓馬、お前だってそうだろ……他人と母の命、どっちを取る！」


「それが本当の話だったら、母親を取る」


全く信じていない様子の拓馬。しかし、必死に話を続けるルイ。


「組織の命令で、俺はゲームのラスボス、アークデーモンになりすました。その中で、何度もお前を殺すチャンスはあった。でも……できなかった。モンスターならまだしも、人を簡単に殺すなんてことはできない。でも、母を見殺しにすることだけはできない。お前なら、どうしてた？」


「さぁ……」


「母が殺されたのを知ったのは、お前が聖なる扉を開けたときだった。まだお前との決着が済んでいないのに、組織は母を殺した。組織は……初めから母を助ける気なんてなかった」


次第に、拓馬の表情が悲しそうになってきた。信用してきてくれているのだろうか。


「俺は怒り狂い、決意した。組織を許さない。俺は考えた。このまま騙されているフリをしながら、お前に協力しよう。お前に、強くなってもらおう。聖なる扉から解放された俺の強さなら、組織を騙しながら負けることだって可能なはずだ。そして俺は、お前に負けたフリをして、倒された。それと同時に、俺とお前は現実の世界へ引き戻された。そして、ずっと、このときを待っていた。お前が強くなる、このときを。……お前、このゲームの目的が何なのか……わかるか？」


そのルイの言葉と同時に、拓馬が話に興味を示した。聞く気が無かった顔が、真剣な表情になる。


「一体何なんだよ、目的は……？」
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