現実RPG2
「もうすぐ戦争が始まる。世界大戦だ。俺やお前は、魔法戦士だ」


「は?」


「魔法を埋め込まれた人間。いわゆる人造人間だ」


「……は?」


「過去の記憶が無いお前には、信じろと言っても無理があるかもしれない。俺たちは、元々……ゲームの中で育てられた、人であって人でないもの。人造人間なんだ」


「何言ってんだ、お前……」


「携帯電話。お前、自分の携帯電話で、組織と連絡を取ったな?」


「え?何の話だよ?」


「ゲームに参加するときだよ」


「求人広告の電話番号なら、出た」


「その電話こそが、この世とゲームを繋ぐ世界回線。組織が編み出した、究極の異次元ワープ装置だ」


困惑した表情を見せる拓馬。信用してきてくれているのか……?


「拓馬……お前は昔、ゲームの中でいくつもの辛い訓練を乗り越えた。その結果、大魔法戦士、リーダーの光魔法使いとしての称号を得た。そして、時は来た。お前は、現実の世界へ放り出された。戦争のために」


「……」


「しかし、組織は焦った。この世で最強の、光魔法の拓馬。その拓馬の記憶が、無くなっている。これでは、戦争に出せない。組織は思いついた。再びゲームの世界へ招き、戦って、戦闘を思い出させようと」


「ちょっと待て。話がズレてきてるぞ。お前の母は、どうして殺されたんだ?」
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