現実RPG2
「芝居?」


「組織の目を欺くためにな。1章、2章、共に、俺たちはどこからか監視され続けている。この会話も、全部筒抜けだ」


「え?」


「1章で、薬草が急に2個だけになったりしただろう。紛れもなく、組織がお前の状況を常に見ていて、簡単に攻略できないように設定を変えた」


「あ……」


「思い出したか。俺は1章では監視する側の人間だったが、組織に服従している人間ではない。もちろん俺も、常に監視されていた。だから、芝居をうった。お前を騙して、騙して、最終的には俺が勝つと見せかける芝居だ。お前を騙しているフリをして、お前を少しずつ強くしていった。全ては……この現実の世界で、お前と出会うために」


「なんとなくわかった。それで……俺の記憶は……何で、無くなったんだ?」


「その件についても説明しよう。それぞれ、人造人間によって異なるが……魔法は、使うと絶対に副作用があるんだ。お前の場合は、記憶だ。自分の記憶を代償に、魔法を使う」


「記憶……」


「俺の場合は、運だ。使うと、不運が起こる。他にも、色々な人物が居た。自分の血を代償にする者も居れば、使うと自分の内臓が無くなる者まで居た。中には腕力が無くなる者も居て、魔法を乱射して最後は鉛筆も持てなくなっていた」
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