現実RPG2
「だったら、何?」


「許せねぇ。殺す!」


と、勢いよくルカの銃を払い飛ばすルイ。


次の瞬間、ルカ目掛けて手をかざすルイ。


「ボルガノン!」


それと同時に、ルカも魔法を繰り出す。


「リフレクト」


ルカの魔法はルイの炎を逆流させた。炎がルイを包む。それを呆然と見ている拓馬。


「ぐあああ!」


その場にバタリと倒れるルイ。


「待て、ルカ!」


倒れたルイを庇う拓馬。自分でも、何をしているのかわからない。


あれだけ倒したい相手を、庇うなんて……


「どきなさい、拓馬!」


「待てって言ってるだろ!こいつが言ったこと、全部が嘘とは思えねぇ!」


「止めたければ、力ずくで止めなさい」


と、剣を抜くルカ。それに怯える拓馬。


「おいおい……別にお前と仲間割れする気なんて、ねぇよ!」


そのときだった。ルイは突然起き上がると、全力疾走で走り去って行く。


「どきなさい!今、二人でルイを殺さないと、取り返しのつかないことになるわよ!あいつには新しい魔法がある!」


必死のルカ。そのとき、再び蘇る、拓馬の記憶。


……ダメだ。まだ、ルイは殺せない。確かめたいことができた。それを聞くまでは。
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