現実RPG2
「わかった。じゃあ、俺がルイを殺す。お前は手出しするな」


と、クロを置いてルイが走った方向へ走り出す拓馬。


その背中に、「一人でどうするの!」とルカの声。


しかしそれを無視して、拓馬はルイを追った。


しばらく走ると、ルイが木陰に座り込んでハァハァと息を切らしていた。炎が、結構堪えているらしい。


「ルイ」


拓馬の呼びかけに、ビクッと反応するルイ。


「何だ、拓馬か」


ホッとした表情をするルイ。


「ルカも、その……ゲームの中にいた人造人間だってことか」


「そうだ。あいつの魔法の代償はひどい。年齢を消費する。使うと、少しずつ老いていく」


「ふーん……それより、ルイ。一つ、聞きたい」


今からルイに質問すること。これを答えられたら、こいつを信用しよう。


もし答えられなかったら……さっきのこいつの話には、何かが隠されている。


何故、ここにきて、俺に隠し事をする必要があるのか。答えは一つ。


ルイが、敵だからだ。


「何だ?」


「この2章が始まってから……お前には、通行人……つまり人が、見えているのか?」


「え?」


「どうなんだよ?」


「もちろん。2章は現実の世界で行われている。ゲームが始まったからと言って、人間がどこかへ飛ばされたりはしない」
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