現実RPG2
ドン!


ルイはまともに受けると、数メートル吹っ飛んでドサッと倒れこんだ。


そのとき、またしても拓馬の中に起こる疑問。


ルイ……何故、攻撃してこない?


本当に、約束を守るつもりか。抵抗せず、殺されるつもりか。


一体、何のために?


今、抵抗すれば、俺くらい立てなくするのは簡単なはずだ。


ルイが敵だったとすると、俺の筋書きではこうだった。


俺が攻撃に出るとルイが反撃してきて、俺をしばらく動けない状態にして逃げる。


さっきの話は、全てが嘘だとは思えなかった。


ルイは、どんな理由であれ俺を決定的に必要としている。


だから、ルイに俺は殺せない。それはわかっている。だけど……


攻撃くらいはしてくるはずだ。それなのに……


まだ、ルイの中に何か策があるのか。


それとも、本当のことだから、命を賭けて説得しようとしているのか。


ダメだ……こいつの本心が、わかんねぇ……


そのとき、ルカが駆け寄ってきた。
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