現実RPG2
ルカとは、しばらく行動した。


今のところ、奴に敵と思わせる不審な点は見つからない。


じゃあ、次は、ルイだ……ルイとしばらく行動する。


そう思っていたときだった。すぐ背後から、声がする。


「アハハ。見つけた」


機械と生声が混ざった、二重に聞こえる声。


ドキリとして、慌てて振り返る拓馬。


そこには、赤色の巨大な鎧を纏った大男が立っていた。


左手に盾を持ち、右手には拓馬の身長くらいの槍を持っていた。


目を赤く光らせている。間違いない、モンスターだ。


「我は、ジェネラルナイト。貴様、光魔法の拓馬だな?」


殺気だったジェネラルナイト。


「お前も、喋れるのかよ」


「ハハハ。会話もできないような下等モンスターと一緒にするな」


なるほど、会話ができるのは上級モンスターか。


こいつに、勝てるのか……。


前に戦ったガクラは、今までのモンスターとは桁違いの強さだった。


拓馬の心臓が高鳴っていく。


そのとき、一つの疑問が沸き起こる。


モンスターは、間違いなく組織が生み出したものだろう。


もしルイの話が本当だったとして、今までの戦闘を振り返ってみる。


確実に、モンスターは拓馬を殺す気でいた。殺意で満ちていた。


どうしてだ?


もしルイの話が本当なら、このゲームは俺の記憶を蘇らせるために行われているモノ。


殺してしまっては、何の意味も無くなってしまう。


もしかしたら、俺は瀕死のダメージを負ってもモンスターに殺されることはない……。
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