現実RPG2
「あぁああぁあ!クロ!」


涙が溢れる。たった一人の味方が……俺の相棒が!


ジェネラルナイトはクロをポイッと捨てると、再び拓馬に槍を構えた。


「許さねぇ……許さねぇ!」


拓馬は力を振り絞って空に両手をかざすと、叫んだ。


「ホーリーレイン!」


無数の光の矢がジェネラルナイトに突き刺さる。


しかし、やはりダメージがない。


「くそっ!」


ダメだ。腹のダメージが大き過ぎる。


気が遠くなる……。


「ハハハ。我に、魔法は効かない」


……何だと?


じゃあ、勝つ手段がねぇ……。


悔しくて再び涙が溢れた、そのときだった。


ザン!


何者かが、ジェネラルナイトを切り裂いた。


傷は浅いものの、ダメージがあるようだ。


「誰だ、貴様」


そこには、ルイが立っていた。


「拓馬。無事だったか」


「ルイ、お前……」


「いいから、ちょっと黙ってろ」


その言葉の後、ジェネラルナイトとの攻防を始めるルイ。


互角に見える戦いだったが、若干ルイが圧していた。


「拓馬、受け取れ!」


と、戦闘中に薬草を投げてくるルイ。


拓馬は薬草を口に含んだ。体の傷が、消えていく。


助かった……。
< 90 / 129 >

この作品をシェア

pagetop