現実RPG2
「マーダー?」


「そうだ。居場所はわかってる。ここから、そう遠くはない。すぐに行こう」


「そいつは、倒せるのか?」


「正直、不安だ。でも、俺には新しい魔法がある」


「新しい魔法?」


「ああ。たった一発しか撃てねぇけど、お前の『スターライト』に近いくらいの威力を持つ」


スターライト……ルイの話の中に、よく出てくる魔法だ。そんなに強いのか……?


「とりあえず、出発しよう。さっさとクリアしよう」


と、歩き出すルイ。拓馬もクロを抱いて続いた。


……それより、ルイとルカ。言ってることが違った。


ルカは、ルイを倒すとクリアだと言ってる。でも、ルイはマーダーを倒すとクリアだと言ってる。


それなら……俺のやるべきことが見えた。


ルイと共に、まずはマーダーを倒す。


それでクリアできれば、ルイが味方だった。クリアできなければ、やっぱりルイを倒す必要がある。


つまり、ルカは倒さなくてもいいのだ。


良かった……これなら、味方を倒すことはない。


……でも……これから、俺はどうなっていくんだ……。


先を考えると、途方に暮れてくる拓馬。


まずはマーダーを倒し、次に組織と対決。


全てクリアできたとしても、ルイの言っていることが本当なら、拓馬は人造人間。


人であって、人ではない。


この先、生きていて希望はあるのか……。


色々な考えを頭に巡らせる。だが、考えても答えは出ない。


拓馬は、安らぎを求めてクロの頭を優しく撫でた。
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