現実RPG2
※疑問
拓馬と行動を始めて、だいたい1時間近く歩いている。


拓馬は、何か思い詰めている様子で、その1時間、口を開かなかった。


ルイは、ずっと疑問に思っていることが一つだけあった。


「拓馬」


歩きながら呼びかけるルイ。


「何だよ?」


「一つ、気になることがある」


「だから、何だよ。もったいぶりやがって」


「お前、1章の最初の方で、ボーン相手に光の玉を投げたな。なのに、終盤で光の玉を持っていた」


「それが、どうしたんだ?」


「どうしたじゃねぇよ。どういうトリックだ?」


「秘密」


「秘密って……こんなときに、隠し事をしててどうすんだよ」


「お前だって、隠してるじゃねぇか」


「何をだよ?」


「俺に通行人が見えねぇ理由だ」


「それは、本当に知らない」


「じゃあ、俺だって本当に知らねぇ」


そうか。拓馬は、まだ心のどこかで俺を疑ってやがる。


つまり、自分の手の内を全て晒し出すことはしないつもりか。


まぁ俺が敵だった場合、良い判断だ。でも……


あのとき、ボーンに放った光。


あれは、絶対に光魔法だった。


つまり、玉は確実に消費しているはずだ。


それなのに、玉を使っていなかった。


考えられる理由は一つ。


拓馬はあのとき、ライトニングを撃った。
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