Dangereuses hospital
今頃外事四課の連中は大慌てかしら。

まさか屋上の私の手元を掠めるだけなんて、針の穴を通すような真似のできるスナイパーが外事四課にいるとは思わなかったけど、十分想定の範囲内。

こんな事もあろうかと、私が永瀬恭一に見せびらかしたアンプルは、ダミーに過ぎなかった。

あれは病院内で入手しておいた、ただのブドウ糖。

仮に弾丸が命中してアンプルが割れたとしても、病原菌がばら撒かれる事はない。

むしろ私の胸を撃ち抜いて射殺しようなんて考えなかったのは正解だ。

胸元に入れておいた『本物の』天然痘ウイルスが飛び散って、大規模なパンデミック(ある感染症が世界的に流行する事)に発展する所だ。

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