Dangereuses hospital
そんな特殊な外事四課に、何故俺のような高卒の若造が配属される事になったのか。

…当然、5年前の事件が関係している。

アミューズメントタワーシステム暴走事故。

朝霧の父親が自殺した後に公に発表されたのだが、あれは事故ではなくテロだった。

勿論、俺もその時初めてそれを知った。

タワーのシステムに介入し、コンピュータウイルスを流す事でシステムを暴走させ、災害を引き起こすという、一種のサイバーテロ。

そしてその犯人は、事もあろうに俺達と行動を共にし、俺達を救う為に自ら犠牲となった筈の少女だった。

八戸由岐。

彼女は当時から、名前だけは世界中に知られている、国際的テロリストだったのだ。

主義も思想もなく、金さえ積まれれば、爆破、拉致、暗殺、ハイジャック、あの時のようなサイバーテロまでこなす。

最も外道な部類の、フリーランスのテロリストだった。


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