Dangereuses hospital
ただ。

世界中にその名が知られていながら、その可憐な少女のテロリスト、八戸由岐の素顔は、世界各国どの情報機関にも知られてはいなかった。

事実、八戸由岐がまだ若い、しかも10代の少女である事も、初めて俺の口から語られる事となったのだ。

そう、それが、俺が外事四課に配属された理由。

国際的テロリスト、八戸由岐の素顔を知り、接触を果たした人物。

警視庁公安部は、俺の他にもハルカや朝霧にも白羽の矢を立てていた。

彼女達もまた、外事四課のメンバーとして候補に挙げられていたのだ。

しかし、俺がそれを拒否した。

彼女達の…そして俺すらも知らない所で、ハルカと朝霧もまた、公安に監視されている。

それだけに留めて欲しいと、俺が頼み込んだのだ。

ようやく平穏な生活に戻ったあの二人に、また危険と隣り合わせの生活などさせたくなかった。

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