Dangereuses hospital
そんな過去の記憶を辿っていると。

「!」

突然部署内の電話の音。

俺はその音で現実に引き戻された。

「外事四課」

六道さんが受話器を取る。

しばしの電話の主とのやり取り。

その六道さんの瞳が、会話の中でチラリと俺を捉えた。

そのまま彼は静かに受話器を置く。

「永瀬、そろそろデスクワークも飽きたろう」

自分の椅子の背凭れにかけてあったレザーのベストを手に取り、彼は立ち上がった。

「外の空気を吸いに行こう…仕事だ」


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