Dangereuses hospital
その警察官は手を差し出す。

「SAT隊長の森脇だ。現場責任者も兼任している」

成程、道理で身につけている制服が、他の警官に比べて物々しい訳だ。

六道さんと森脇隊長は握手を交わした。

「で、状況は?」

「芳しくないな」

森脇隊長は険しい表情で病院の方に目を向けた。

「事件発生から二時間近くが経過しているが、犯人の方から声明のようなものは発表されていない。要求も無しだ。連中何の為に病院に立て篭もってやがるんだか」

舌打ちをする森脇隊長。

大抵この手の事件ならば、何かしらの要求がある筈だ。

人質と引き換えに身代金を要求してきたり、テロリストならば投獄されている同胞の釈放を求めてきたりなどがよくあるパターンである。

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