Dangereuses hospital
「もしもし。俺は警視庁公安部外事四課の六道直という。あんたの名前を教えてもらえないか?」

『ふざけるなっ!!!』

目の前にいたら今にも発砲してきそうな声で、犯人の男が怒鳴る。

…だがこの声だけでも、ある程度の犯人像は予想できた。

年齢は30代。

直情型で短絡的、あまり交渉事には向いていないタイプだ。

恐らくはグループの中でも実戦担当。

つまり彼に指示を出しているリーダーが他にいる筈だ。

「じゃあリーダーと代わってくれないか?君らの目的が知りたい」

六道さんもまた、俺の予想と同じ結論を導き出していたようだ。

「こんな大事件を起こし、人質までとって立て篭もっているんだ。何か目的があるんだろう?」

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