Dangereuses hospital
その直後だった。

『ん?…ちょっと待て』

受話器の向こうで、犯人が誰かと話し始めた。

恐らくは、武装グループの仲間…犯人のリーダーだろうか。

しばらくして。

『おい』

威圧的な声で、犯人は驚くべき要求を突きつけてきた。

『そっちに、永瀬恭一っていう警察関係者はいるか?』

「!!!」

その言葉に六道さんが、そして俺自身が驚愕の表情を見せる。

『永瀬恭一を病院内に向かわせろ。ソイツとなら交渉するとリーダーが言っている。但し丸腰で来い。拳銃の一つも持っていたら、その場で永瀬恭一と人質全員を殺す!』

< 29 / 122 >

この作品をシェア

pagetop