Dangereuses hospital
両手を挙げ、ゆっくりと。

俺は病院の正面ロビーへと歩いていく。

警察関係者、野次馬、マスコミ、テレビカメラを通じて一般の視聴者まで。

全ての人間が注目する中、俺は単身、武装グループの占拠している病院内へと向かう。

足取りはあくまでも慎重に。

必要以上に犯人を刺激してはならない。

病院内には多くの人質が残っている。

犯人を逆上させて、いい事など何もない。

ここから先は、俺の行動に人質の命がかかっている。

孤独な戦い。

俺の人生で最も長い数時間が、始まろうとしていた。

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