Dangereuses hospital
正面ロビーまであと3メートルほどに接近した所で。

「止まれ!」

先程六道さんとの電話で聞こえてきた、あの野太い声が俺を制止した。

見れば正面玄関の硝子張りのドアの向こうに、黒の目出し帽を被った迷彩服の男が立っている。

手には自動小銃。

テロリスト御用達のAK-47だ。

「そこで立ち止まって…両手を挙げたまま一周して見せろ」

「……」

俺は犯人の言うがままに、ゆっくりと一周してみせる。

ポケットや服の膨らみで、武器を所持しているかどうかを確認するのだろう。

それが終わると初めて、犯人は正面玄関のドアを開ける。

開ける前に、ドアの上の方に取り付けた機器のスイッチを一時的に切った。

あれが振動感知式の爆弾らしい。



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