Dangereuses hospital
「入れ!」

命令口調の犯人に従い、俺は病院内へと足を踏み入れる。

「そこの壁に両手をついて、背中を向けろ」

玄関ドアの爆弾のスイッチを再びオンにして、犯人はそんな事を言った。

言われるままにすると、今度は入念なボディチェック。

警察関係者が病院内に入るという事に、ひどく警戒しているらしい。

逆に言えば、徹底している。

不用意に侵入させ、制圧されない為に、建造物占拠と篭城戦の訓練を受けているのだろう。

ますます並のチンピラとは違う事を思い知らされる。

一筋縄ではいきそうにない相手だった。

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