Dangereuses hospital
所詮は犯人も人の子だ。

死を直前にすれば命は惜しいと見える。

違法スレスレの捜査手法だが、これもまた六道さんに教わったやり方だった。

ともあれ、俺は犯人から武装グループの構成人員を聞き出す。

目の前のコイツを含めて、構成人数は6人。

それが武装グループの全人数らしい。

もっとも、コイツが本当の事を言っていればの話だが。

「ちなみに」

銃口を犯人の額にゴリッと押し付け、俺は訊く。

「お前らの仲間に八戸由岐はいるのか?」

「八戸由岐?」

犯人が呆けた顔をした。

わざととぼけている風でもない、本当に知らないといった顔で。

「名前までは知らねぇが…女が一人いるにはいる…まだ若くて…へへ…いい女でよ…何年か前に俺達と知り合ったんだ…この病院に立て篭もって、ガッポリ身代金をせしめようって持ちかけてきたのもアイツだったぜ」

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