Dangereuses hospital
薬品保管室から出て、3階へと向かおうとした時だった。

「……!」

声を殺し、俺は素早く壁際に隠れる。

進行方向に人影。

確認するまでもない。

現在、この病院内で俺以外に自由に歩き回っているのは、犯人以外に考えられなかった。

気取られないように、壁越しに様子を窺う。

歩いているのは、1階で俺が仕留めたのと同様の、目出し帽に迷彩服という出で立ちの犯人。

手にしているのは自動小銃だ。

恐らくは病院内の警戒にあたっているのだろう。

病院内からの脱走者、或いは病院内への侵入者を仕留めるのがその役目。

俺などは、恰好の餌食だった。

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