Dangereuses hospital
八戸の追跡から逃れ、完全に撒いた事を確認して、俺は壁際に身を潜めて呼吸を荒くした。

…気が滅入っていた。

この病院には、再会するにはそれなりの覚悟が必要な人間ばかりが揃っている。

朝霧に、八戸。

どちらもあの忌まわしいアミューズメントタワーで行動を共にした、いわくつきの人間。

どちらもあの事件を境に、大きく人生を狂わされてしまった二人だ。

いや、八戸に関しては元々『そうだった』のだが。

何にせよ、朝霧も八戸も、穏やかな再会は望めない相手だった。

そんな相手達と、何でよりにもよって、こんな武装グループに占拠された病院内で再会する羽目になってしまうのか。

自分の境遇を呪いたくさえある。

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