Dangereuses hospital
心のどこかで、俺は八戸には期待していた。

本当はテロリストなんかじゃなくて、普通の少女として、あのアミューズメントタワーから奇跡の生還をしていてくれれば…。

そんな淡く甘い妄想をしていなかったといえば嘘になる。

しかし、現実というのは残酷だ。

あの時、俺達を助ける為に八戸は命を落とした、と言われた方がまだマシだと思えるほどの厳しい現実。

八戸はテロリストとして生きていて、生死を共にした朝霧の入院している病院を武装グループと共に占拠し、同じく仲間であった筈の俺を、何の躊躇もなく殺しにかかった。

…まだまだ一般人感覚の抜け切らない新米公安の俺にとっては、あまりにも衝撃的な状況だ。

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