Dangereuses hospital
言いたい事だけを言って、院内放送は終わった。

これで決定的だ。

ハルカが犯人の手の中にいるらしい。

しかも俺と縁のある人間だという事を、既に知られている。

ハルカが口を滑らせたのか、犯人が無理矢理聞き出したのか、そこまではわからないが。

「……」

入手したグロック17のグリップを握り締め、考える。

間違いなく犯人が待ち伏せているだろう。

みすみす罠にかかりにいくようなものだ。

別に罠にかかるのはいい。

刺し違えてでもハルカを救出する覚悟は出来ている。

しかし…。

俺はベッドの上の朝霧を見る。

俺が殺られたら、誰が彼女を助けるんだ?

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