Dangereuses hospital
「内輪揉めは死んでからにしな」

俺とハルカの会話を断ち切るように犯人が言う。

彼はその後、俺を見て顎をしゃくる。

わかっている。

まずは俺の手にしている拳銃が邪魔な筈だ。

「……」

これを手放せば、俺はハルカ救出の手段を完全になくしてしまう。

丸腰のまま、ハルカを無傷で救出する事は不可能に等しい。

それでも、ここで犯人の要求に応えなければ、ハルカは…。

「ちっ…」

苦渋の選択。

俺は拳銃を床に置き、犯人の方へと滑らせた。

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