Dangereuses hospital
この犯人は大きな思い違いをしていた。

俺とハルカを完全に抑えたと思い込んでいる。

それが思い違い。

手術台に拘束されているのが、もし朝霧だったなら、俺はここでゲームオーバーだったろう。

だが残念ながら、手術台の上にいるのは二宮ハルカ。

従順などという言葉とはかけ離れた位置に存在する。

烈女と言ってもいい。

彼女はメスを突きつけられたなら、可愛らしく脅えるのではなく。

「いぎっ!?」

犯人のメスを持つ手に噛み付くような、躾のなっていない雌猫のような女なのだ。

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