Dangereuses hospital
予想だにしなかったハルカの反撃に動揺し、その痛みでメスを取り落としてしまう犯人。

それだけの隙があれば十分だった。

俺は前転しながら床に滑らせた拳銃に飛びつき、起き上がるのももどかしく、その引き金を引き絞る!

1発、2発、3発、4発、5発!

グロック17の9ミリパラベラム弾が、犯人の胸に、腹に、次々と赤い血の花を咲かせる。

5発もの銃弾を浴びせられたのだ。

無事でいる筈がない。

犯人はまともな悲鳴すら上げる事なく、その場に崩れるようにして倒れる。

…俺は硝煙の向こうで、その様子を黙って見つめていた。

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