My Lover
足音と共に声が遠ざかっていく。
あいつ…倉本嶺(クラモト ミネ)だ。
確か二年唯一の双子だったような…。
「あの人…あたし知ってる。あの人のもう一人の子がクラスにいるの。」
綾のクラスにいたのか。
とは言っても…倉本とはあまり話したことはない。
でも今の会話、完璧俺達の話だった。
契約がどうとか…。
…考えるだけ脳みその無駄だな。
ただでさえ無いのに。
とりあえず帰るか。
―――しばらく歩いていると、自分の家が見えてきた。
「俺ん家、あれ。」
「ここの…マンション?」
「そ。五階で一人暮らししてるんだ。中は少し狭いけどな。少し休んでから家まで送ってくよ。」
そう言いながら、マンションのオートロックのドアの鍵を開け、エレベーターに入り五階のボタンを押す。
「…そのことで話したいことがあるんだ。」
話…?