My Lover
「今日、三年の先輩と居たでしょ…?あの先輩の家で一年間、暮らしていいっていう契約書、みたいな。」
「優しい先輩じゃん。」
「違っ…!…酷い人なの!あたしを家に置いてくれる代わりに体、売れって…。どーせ処女じゃないんだからいいだろって。」
あーだからさっき泣いてたのか。納得。
「あたしそんなに軽い女に見える!?処女じゃなくても、体売るのはやだよ。」
「で、まだ会ったばっかの俺に助けてってわけ?」
「うん…。」
そういうことか…。納得。
つか、性欲強ぇ先輩だな。確かに綾は可愛いから、気持ちはわかる。
けど、無理矢理ってのもどうかと思う。
それに―――
「俺が悪いヤツだったらどうすんの?それでも助けてほしい?」
なんとなく、俺に頼んでいいのか確かめたい。
「大丈夫、だと思う。みんな、晴は優しいって言ってるもん。」
平気、みたいだ。
「…わかった。とりあえず、風呂入れば?続きはそのあとでも遅くないだろ。」
「うん。ありがとう。」
綾の少しはにかんだ笑顔が辛く見えた。