My Lover
「あのさぁー…、彼女嫌がってるみたいだし。やめてあげたら?」
そう言うと、男は驚いた顔をしてぱっと振り向いた。
女の子はしゃがんでいて顔は見えないけど、泣いてる気がする。
二人ともこの学校の生徒みたいだ。
「……邪魔しないでくれるかなぁ。彼女と取引中なんだ。」
…取引?
訳わかんねー。
「でも、彼女泣かせるとか最低だと思うんだけど。」
言い聞かせるように、キツく言った。
すると男は舌打ちして、
「くそっ。邪魔しやがって。」
と小声で言いながらそそくさとこの場を去っていった。