あなた
でも、やっぱりあたしは耐え切れなかった。
「う・・・ぅぅ・・」
あたしは泣いてしまった。
「どうした!?」
和也は心配してびっくりした顔であたしを見た。
「何かあったのか?」
あたしは聞いてほしかった言葉だった。
「なんかあったんだろ?
学校で・・・。
今日のまどか・・・いつもと違ってたし・・・
無理して笑ってるのすぐわかるし・・・。」
そう言って強く抱きしめてくれた。
なんですぐわかるんだろうって・・・思った。
いつもはそんな和也に言ってたけど、
甘えてはいけないんだ。
和也のせいで迷惑かけられない。
もう決めたんだから・・・。





「別れよ・・・。」
あたしは言うと、強く抱きしめて和也の手は
だんだん力がなくなっていった。
「なんで・・?そんな話じゃねぇだろ?
俺が話してるのは・・・」
「別れよ!!」
あたしは和也の目を見て、真剣に答えた。
「なんでだよ!!俺ら約束しただろ!?
じゃあ・・・なんで泣くんだよ!!」
和也は怒ってあたしの肩を揺らした。
その手は力が強かった。



「いたいっ・・・!!」
あたしはその手を振りほどいた。
そして立ち上がり、行こうとした瞬間・・・。
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