グレスト王国物語
*紅き憤怒
***
背中に堅い感触。
力任せに押し付けられているのが実験台の上だと言うことに気が付いて、リフィエラは小さく悲鳴を上げた。
いつも冷静なはずのキリュウには全くと言って良い程余裕がない。
既に、彼女の両手両足は太いバンドで堅く拘束されていた。
最後に、力強くリフィエラの首を台に固定すると、キリュウは一旦彼女に背を向け、巨大な機械の最終調整に入ったようだった。
「キリュウ博士…一体何を……」
「資金投資の要だったライラ国長が殺された。投資が止まる前に、済ませてしまいたくなりましてね。」
「嘘……貴方は、私を裏切りましたね。私に殺されるのが、怖くなりましたか?」
「黙れ…とにかく、私には時間がない。さっさと終わらせましょうか。」
彼の手がスイッチへと伸びる。
死の呪文を唱えようとして、リフィエラは身体が鈍い熱を持っているのに気がついた。毒を盛られている。
あっという間に、唇ひとつ指一本すら動かすことができなくなってしまった。
意識すら、朦朧とし始める。
最後には、力を吸い取られているのか、自分の力が消滅しているのか。
それすら分からなくなった。
背中に堅い感触。
力任せに押し付けられているのが実験台の上だと言うことに気が付いて、リフィエラは小さく悲鳴を上げた。
いつも冷静なはずのキリュウには全くと言って良い程余裕がない。
既に、彼女の両手両足は太いバンドで堅く拘束されていた。
最後に、力強くリフィエラの首を台に固定すると、キリュウは一旦彼女に背を向け、巨大な機械の最終調整に入ったようだった。
「キリュウ博士…一体何を……」
「資金投資の要だったライラ国長が殺された。投資が止まる前に、済ませてしまいたくなりましてね。」
「嘘……貴方は、私を裏切りましたね。私に殺されるのが、怖くなりましたか?」
「黙れ…とにかく、私には時間がない。さっさと終わらせましょうか。」
彼の手がスイッチへと伸びる。
死の呪文を唱えようとして、リフィエラは身体が鈍い熱を持っているのに気がついた。毒を盛られている。
あっという間に、唇ひとつ指一本すら動かすことができなくなってしまった。
意識すら、朦朧とし始める。
最後には、力を吸い取られているのか、自分の力が消滅しているのか。
それすら分からなくなった。