グレスト王国物語
[グレスト創世記]

あまり知られていない話だが、
この世界を創った
5人の若き女神の他に、
もう一人の女神がいた。

名を、
大女神グレスティア。

かつて、
世界は混沌であった。

1人の女神が
その悲惨な有様を目にし、
世界を作った。

それが、
大女神グレスティア。

グレスティアは
世界に安定をもたらすために、
若き5人の女神に
水・大地・森・智・炎
それぞれの領域を与え、
彼女らに力の象徴として、
玉(ぎょく)を与えた。

若き女神達の
魔力の根源でもある
その玉は、
女神の涙と名付けられた。

それから
5人の若き女神達が
世界を形作って行った話は
世間に良く知られている。

かくして、
若き女神達は
与えられた領分にしたがい、
世界を育み
整えて行った。

最後に、彼女達は
自分達に匹敵する魔力と、
人間の長として
君臨するたるに
相応しい者を選び、
彼を王とした。

こうして
初代グレスト王国国王
アニスト・エマリウス・トゥル・レジータ
はこの国を統べる権利を
与えられ
かくして彼と
大女神グレスティアの名に
ちなんで
グレストと名付けられた
王国が永きに渡り繁栄する
こととなった。
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