グレスト王国物語
その瞬間、何もかもがブラッドの思考から遠ざかり、ざわざわと異常な気分が全身を満たした。
気分が悪くなるほどに、気分が良い。
吐き気を催すほどの熱い高揚感に犯され、ふわりふわりと意識が宙を舞う。
そうだ。
たかが一人の女のことなど、忘れてしまえば良いのではないか?
初めて署であれを見かけた時、彼女があまりに亡き妹に似ていて驚いたことを、今でも鮮明に覚えている。
後に、この男に呼び出され、女神の涙を集めれば、その女の身体を器に妹の魂を喚んでやると、言われ、
言われて…
嗚呼、何かがおかしい気がする。絶対におかしい。
しかし、果たして何がおかしいのか、それが分からない。
何も考えられない。
「お前は一生懸命働いてくれたから、褒美だよ。ほら、ブラッド…見てご覧。」
男が誇らしげにそう告げると、台座に収まっていた5つの玉が輝いた。
それに合わせて、吊されている女の肢体も真っ白に輝き出す。
背徳感と幸福感がない交ぜになって、彼女から視線を離すことができない。
あぁ、いよいよだ。
ようやく、会える。
「ほら、来てくれたぞ。」
気分が悪くなるほどに、気分が良い。
吐き気を催すほどの熱い高揚感に犯され、ふわりふわりと意識が宙を舞う。
そうだ。
たかが一人の女のことなど、忘れてしまえば良いのではないか?
初めて署であれを見かけた時、彼女があまりに亡き妹に似ていて驚いたことを、今でも鮮明に覚えている。
後に、この男に呼び出され、女神の涙を集めれば、その女の身体を器に妹の魂を喚んでやると、言われ、
言われて…
嗚呼、何かがおかしい気がする。絶対におかしい。
しかし、果たして何がおかしいのか、それが分からない。
何も考えられない。
「お前は一生懸命働いてくれたから、褒美だよ。ほら、ブラッド…見てご覧。」
男が誇らしげにそう告げると、台座に収まっていた5つの玉が輝いた。
それに合わせて、吊されている女の肢体も真っ白に輝き出す。
背徳感と幸福感がない交ぜになって、彼女から視線を離すことができない。
あぁ、いよいよだ。
ようやく、会える。
「ほら、来てくれたぞ。」