黒髪のあの子
―――――学校。
「あったかー?千尋。」
「一応。」
「ふぅん。つか授業はどうする?」
「授業なんて出るわけねぇだろ。屋上行く。」
「そりゃそうだな。」
そういって、屋上へ行こうとしたとき…。
「まじ!?ラッキー♪」
「楽しみだぜ。美人だといいなー」
教室のど真ん中で、喜び合ってる男2人がいた。
梓と一度目を合わせてから、その2人の所へ寄った。
「おい。何の話だ?俺達も混ぜろよ」
あぁ。梓は、女には優しく男には厳しく…がポリシーだったっけ?
それにしても態度の変わりようがすげぇな。
「なにが楽しみなんだよ?」
そいつらは、ビクビクしながら、声が小さくなっていった。
「はぁ?聞こえねぇよ」
梓はちょっとキレ気味。
「ぁ、ぁの…っ、今日、転校生がくるみたいなんですよ…」
「転校生?」
「はい…なんか黒髪美人とか噂が回ってきたので…っ」
そいつは脅えて、声が震えていた。
てめぇらなんかに、なんもしねぇっつの…