黒髪のあの子
「ところであいつの何処が好きなんだよ?」
『あ…?』
「顔、とかいうんじゃねぇだろうな?」
そんなんだったら俺協力しねぇよ?
ばからしい。
『あー。顔もいいが…もう、全体的にあいつが好きなんだ…。一緒にいるとドキドキするし』
ズキッ
ああ…聞かなきゃよかった。
くだらないと思ったのに。
馬鹿か?って思ったのに…。
なんで、その思いとは別に心が痛むんだ?
俺…変だ。
『…ちひろ…?「頑張れよ。俺、用あるから切るわ」
用なんて嘘。
なんだかこいつの声を聞くだけでイライラする。
親友のハズだろ?俺、どうしたんだよ?
『あ、わりぃな。いきなり…じゃ。』
「じゃな」
ブチッ
ツーツーツー…。
俺が、一方的に先に切る。
イライラ、イライラ…
抑えられない自分に更にむかついた。