黒髪のあの子
あたしは、自分の席に着いてから、一回小さく息を吸った。
そして、小声で。
「あたし、千尋の事好きかも知れない…」
といった。
「え…?千尋って、もしかして…。」
「うん…内田千尋。」
「ええッ!?何いってんのっ…不良だよ?」
あせったように言う。
「知ってるよ…。でも、本当は根は優しいの」
美玖は、びっくりしたようにあたしを見つめる。
「かかわった事、あるんだ?」
「うん…。何度かね。」
「ふぅん…それで、どうしたの?それだけで落ち込むわけじゃないよね?」
「うん…、今朝に…」
あたしは、朝あった出来事を全部話した。