青春ビート



都心から少し離れ、住宅が立ち並ぶここは案外空が広く、


改めてみると自分がほんとにちっぽけに、惨めに見えて仕方なくなる。


そんな気分を紛らわそうと口から音を紡ぐ

『賛美歌』


昔、

教会で、聞いたことのない、綺麗で、繊細で、純粋な、天使を思わせる歌を聞いた。
小さい時だったため曖昧な記憶のなか、

この歌だけは今でもハッキリ覚えている。


開けた窓から涼しい風が入る。


この歌の様になれたらいいのに…―――



叶いもしない願いを心に秘め、うたう。


空をひたすら見つめつづける。


< 32 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop