青春ビート
「あっ!まって〜
一回だけでいいからおねがいっ!」
教室のドアの前に立ち手を合わせお願いしながらも行く手を阻む朱獅。
嫌がらせかお前は。
「嫌だ。行かなきゃいけない意味がわからない。」
あとあと面倒な事になりそうだし
「そんな事言わないでさぁ〜」
可愛い顔を情けなく歪ませて頼み込む姿は 図的に可笑しい気がする
静かな口論が続く中、
鈴とした、低く心地よい声が聞こえた
「葵。」
朱獅の後ろからは
朱獅より一回り大きい身長で
いつのまにいたのか
すぐ近くにいた朱獅でさえ驚いていた
「旭…」
「田嶋 旭…」
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