青春ビート


なにも言葉を発してないのに
朱獅は私と田島旭の間から脇にズレた。


「来ないのか」

朱獅との会話を聞いていたのか。

「行かない。」

田島旭は偉い朱獅達の中で上の立場なのは今ので分かった。

朱獅は田島旭に逆らえない。

その証拠に今、田島旭が現れて静かになった。

「お前は笑いたいと思わないのか」

なにが言いたいんだ この男は。

「思わないよ、下らない。」


そう返すとふっと笑い
「寂しいヤツだ」と言い出した。


寂しいなんて今更な事を言われても困るし
笑う事が寂しくないなんて意味が分からない

顔をしかめ無言を貫く


「嘘偽りのない笑顔はな、いつだって幸せで楽しいんだよ」

「そんなの知らない。」



興味ない

幸せなんて

私と縁がない物なんだから。


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