苺子白書~イケメン双子に挟まれて!?~
「イチ、もぅ来たのか??」
綺麗な机に沢山のファイルを乗せてハルが眼鏡を外してこっちを見た。
「掃除なかったしね~」
ソファにうなだれながら言う。
「そうだ!この前苺子がデザインしたスクールバック、大当たりだぞ!!生産が間に合ってない程だ」
スクバ……??
あぁ!!
中学生向けでアタシがデザインしたやつか。
薄くて安めの革を使って、今時の中学生が好きそうな蝶のモチーフにしたの。
内生地にも気を使ってfraiseの目印のマークを沢山散りばめた薄桃色。
しかも、有名なデザイナーじゃなくてアタシのデザインだからそこのお金が浮いた分、安く売れて、狙い通り中学生が買えるようにした。
「生産間に合わないの??アタシ絶対売れるから沢山作ってって言ったのに」
ブーブー文句を垂れる。
「またそうやって苺子はすぐ調子に乗るんだから」
ハルがため息をつき言った。
調子に乗って何がイケないわけ?
成功が自信に繋がる事はイイ事なのに。