図書室
「図書室、閉めるそうですよ」
私は角のコーナーに来ていた。
閉館の知らせを告げると、木下先輩は私を見て読んでいた本を閉じた。
「もうそんな時間?まだ明るいのに。やっぱり夏だな」
木下先輩は一人でぶつぶつ呟きながら帰りの支度を始める。
私も帰る支度をしていると、後ろから木下先輩が来た。
「堀内さんは電車?」
「そうです……」
少し驚きながらも答えた。
「堀内さんが迷惑じゃなかったら、一緒に帰らない?」
「めっ迷惑じゃないです!!
ご一緒してもいいんなら!!」
慌てて答えると木下先輩は良かった、と笑った。